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チキは、傷の痛さで丸2日間、そこでうずくまって動けませんでした。
「チキこのまま死んでしまうのかなー。」「でも、ここで死んだら、さっちゃんに逢えなくなる。」「チキ、がんばろうー。」
チキは痛い体を引きずりながら、ヨロヨロと歩き始めました。気がついたら、チキは丸2日間なにも食べてないし、お水も飲んでもいないかったので、すごくのどが渇いていました。
「のどが渇いたよー、お水が飲みたいよー。」チキは一生懸命、お水のある所を探しました。
しばらく歩くと、道の脇に小さな川が流れていました。チキは、その川の水を飲もうとして一生懸命短い首を伸ばしましたが、チキの短いハスでは、どうしても届きません。何度も何度も、挑戦してみるうち「バシャーン」と言う音とともに、チキは真っ逆さまにその小川に落ちてしまいました。
「あっぷっぷ。」チキは川の水を、いっぱい飲み込み込ました。
「でもお水が飲みたかったからよかったかも!」チキはちょっと満足でした。
ところが、川の水が浅かったからよかったのですが、その川の側溝が高く、チキには這い上がることはできませんでした。チキはずぶ濡れになりながら、ワンワンとほえるしかありませんでした。
しばらくして、チキのほえる声を聞いて、近くの子供たちがやってきました。
「犬が川に落ちている。」「助けよう。」と言って、みんなでチキを助けあげてくれました。
「あ、この犬、怪我してる。」「目が大きくて、かわいい。」「でも汚い。」「この犬どこの犬?」
子供たちから、思い思いの声が聞こえていました。 チキは腹がすいていたのと、水にぬれた寒さとでブルブルふるえていました。一人の女の子が、家からタオルを持ってきて、チキを拭いてくれました。でも傷のところを拭かれると、すごく痛いので「キャン。」と泣いてしまいました。
もう一人の男の子が、持っていたポテトチップスをくれました。チキはしばらく食べていないので、むさぼるように食べました。チキが、もっとほしそうな顔をしてみていると、その男の子が「この犬お腹すいてんだ。俺の家で犬を飼っているから、ドックフードを少し持ってきてやる。」と言って家からドックフードを、トレイにいっぱい持ってきてくれました。
何日ぶりかのドックフードに、チキは大きい目をもっと丸くして、口いっぱいほうばりながら、ボリボリ音を立てて食べました。「チキ幸せ!」
チキは、その子供たちについて行こうとすると、子供たちは、「おい、この犬ついてくるぞ。」「誰か飼ってやれよ。」「ヤダー、汚いから。」「家の人に怒られちゃうよ。」「おれんち、犬かっているからなー。」などと言いながら、思い思いの方向に駆けていきました。
チキは、またあてもなく、トボトボと歩き始めました。
次の日、朝起きたらチキの肩は、腫上がって歩くにも痛くなりました。どうやら、ノラ猫にかまれた傷が、化膿したようです。でも何とかして、今日の食べ物を探さなければなりません。チキが、家の軒先から歩こうとすると、近くで「バサバサ」と言う、鳥の羽のような音が聞こえるようです。チキが近づいて行くと、そこにはカラスの子供が、うずくまっていました。
どうやらその子ガラスは、ハネに怪我をしているようです。チキが近づくと、カラスの子供はおびえたような目で、バタバタと羽を震わせています。
「子ガラスさん、チキはお腹がすいているけど、あなたを食べませんから安心して。」とやさしく言いました。「でも、たいへんだ。この子を助けてあげなければ。」
チキは、自分の怪我の痛さも忘れ、この子ガラスを助けてあげることに夢中になりました。
「チキの悪い頭で考えると、えーと、この子ガラスを助けるにはー。」「そーだ。子ガラスの親を探せばいいんだ。」「なーんだ、簡単だー。」 「でも、その親ガラスって、何処にいるの。」「チキ、わかんないー。」
「そうだ、ほかのカラスさんに伝えれば、親に伝えてくれるかも。」「「チキ、あったまいいー。」
チキは、カラスを探すため歩き出しました。すると、電線に一羽のカラスがいました。チキはそのカラスに向かって一生懸命、吠えました。すると、そのカラスがチキの前に降りてきました。
そのカラスは「何か、あったのか。」とチキに聞きました。チキは「子ガラスさんが怪我をしています。助けてください。」と言って、子ガラスのいるところまで案内しました。
そのカラスは、子ガラスに「ちょっと待てよ。」と言って、その場から飛び立ちました。
しばらくすると、数羽のカラスたちが、あわてるようにやってきました。その中に、その子ガラスの親がいたようです。子ガラスは、その親ガラスたちに連れて行かれ、帰っていきました。もう一羽の大きくて、目が片目つぶれているカラスが、チキにお礼を述べに来ました。
「私は、カラスのブラックジャックと言われている、ボス兼医者だ。子ガラスの怪我はたいしたことはないが、あのままおいたら、猫か人間に殺されたかも知れない。ありがとう。」といってお礼を言いました。
チキは、良い事としたなと思い、うれしくなりました。
そしたら、カラスのブラックジャックが「ところで、そのお前さんの怪我の傷ひどいな。だいぶ、傷が化膿しておる。そのままおくと、命が危ない。」「そこで待っとれ。」と言って、飛び立って行きました。
しばらくして、カラスのブラックジャックと数羽のカラスが、たくさんの薬草をもってチキの前に舞い降りてきました。カラスのブラックジャックは、その薬草をハスで噛んで、チキの肩につけてくれました。
そして、この薬草は食べても利くからといって、置いて行きました。チキはその薬草を「にがい、まずい。」と言いながらも、一生懸命食べました。すると、翌日の朝、早く起きるとうその様に、チキの肩の腫れと痛みはなくなっていました。
傷の痛みが無くなると、また急にお腹がすいてきました。チキは、またえさを探しに歩き出しました。
そしたら、近くのゴミ置き場に、あのカラスたちがゴミをあさっています、その中に、あのブラックジャックさんが見張りとして、いるではないでしょうか。チキはうれしくなって「ブラックジャックさん、昨日はありがとう。傷も痛くなくなりました。」とチキはお礼を言いました。すると、ブラックジャックは、「いやお礼をいうのはこっちのほうだ。今、俺たちは朝飯だ。人間の出した残飯だが、口にあったら一緒に食って行かないか。」 チキはお腹がすいていたので「な、何でも食べます、ください。」と言って、一目散にゴミ置き場までかけていきました。チキはうれしさで目を丸くしました。
そこには、カラスのハスでつつかれたゴミ袋の中から、お弁当の残りやサンドイッチ、ソーセージなどチキの好きな物ばかりでした。チキは「これで、今日もメシにありつけたぞ、ラッキー。」といっておもいきり、その残飯に飛びつき、残飯が口にからこぼれそうになりながらも、一生懸命食べました。
お腹がいっぱいになったら、急に眠くなり、近くの木陰で昼寝をすることにしました。寝ている間に見た夢は、さっちゃんといっしょに楽しくお散歩をしている夢でした。
その時、チキの夢を覚ますような「ギャー」「ミャー」と言う猫の声に、びっくりして目を覚ましました。見ると、向こうから3匹の子ネコが、一目散にチキのほうに向かってかけてくるではありませんか。チキの前まで来た子ネコたちの目は恐怖に引きつり、なにかを訴えようとしているかのようでした。チキは、その子ネコたちを物陰に隠し、「どうしたんだ、何かあったの。」と聞いて見ました。子ネコたちの声は、恐怖に震え、最初は何を言っているのか分かりませんでした。
「ミャー、大変です。僕らのお母さんが、人間に刃物で切られたよー。」「たすけてー。」
チキが恐る恐る、子ネコの来た方向に歩いて行くと、そこには首から肩にかけてザックリ切られ、血だらけの母ネコが息絶え絶えで横たわっているではありませんか。
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